2025年4月、中国・海南省で開催された「中国国際消費品博覧会(China International Consumer Products Expo / Hainan Expo)」に、江田畜産として出展した。会期は6日間。累計48万人以上が来場する、アジア最大級の消費財展示会である。
私たちのブースには、6日間で400名を超える来場者が訪れた。名刺交換だけでなく、具体的な取引条件にまで踏み込んだ商談も数多くあり、50件以上の案件化が見込まれている。
なぜ、いま中国なのか
現時点で、日本から中国本土への和牛輸出は認められていない。BSE関連の規制により、日本産牛肉の対中輸出は長年にわたり停止されたままだ。それでも私たちが出展を決めたのは、規制が解除された瞬間に動ける関係を、いまのうちに築いておく必要があると考えたからだ。
中国の食肉市場は世界最大規模であり、高級食材への関心も年々高まっている。規制が変わるのを待ってから動くのでは遅い。先にネットワークを構築し、信頼を積み上げておくことが、将来の参入障壁を下げる唯一の方法だと私たちは考えている。
規制がある。だからこそ、いま行く。解除された時に一番手で動くために。
—— 江田 友輝
48万人の熱量
海南Expoの規模は、日本国内の展示会とは比較にならない。会場面積は約12万平方メートル。世界70以上の国と地域から出展者が集まり、政府関係者から一般消費者まで、あらゆる層が来場する。
江田畜産のブースでは、江田和牛の飼育方針、サステナブルな農業への取り組み、そして有機JAS認証に向けた挑戦について紹介した。来場者の反応は、予想を大きく上回るものだった。特に「化学物質を使わない飼育」と「若い世代による経営」という2つのテーマに、多くの方が強い関心を示してくださった。
現地メディアの反応
出展期間中、現地のテレビ局からの取材を受け、ブースでのインタビューが放映された。また、中国の国営通信社である新華社の日本語版にも、江田畜産の取り組みが記事として掲載された。
メディアが注目したのは、宮崎という地方の小さな畜産会社が、なぜ国際展示会に単独で出展しているのか、という点だった。商社を介さず自分たちの言葉で発信するスタイルは、中国側から見ても珍しい存在として映ったようだ。
先手を打つということ
畜産業界において、海外展開は通常、商社や大手メーカーが主導する。地方の中小畜産会社が単独で海外の展示会に出展し、自らネットワークを構築するケースは極めて稀だ。
だが、私たちは待つことを選ばない。規制環境は変わる。市場は動く。その時に最前列にいるために、いま種を蒔いておく。海南Expoで出会った400名以上の方々との関係は、未来の江田畜産にとってかけがえのない資産になると確信している。
48万人が集まる場所に、宮崎から来た。それだけで十分な意味がある。だが、本当の成果はこれからだ。
Eda Livestock Co., Ltd.
Hainan, China / 2025.04.18